あらためて考える、立憲主義と憲法改正の議論
- 山口かおる
- 2022年9月15日
- 読了時間: 2分
更新日:2022年9月20日
旧統一教会の問題や国葬の問題が話題になっており、
改憲に向けた動きは少し遅くなるのではないかと言われています。
しかし、臨時国会では憲法審査会が開かれると考えられ、
そうすると憲法改正の議論が進む可能性もあります。
そもそもなぜ、憲法が必要なのか、また日本国憲法の成り立ちから、
憲法改正の議論がどのようになされてきたのか、
勉強会に参加しました。

「立憲主義」と「憲法改正論議」と題した講義を、元新宿区議会議員・弁護士の三雲たかまささんが座談会にて行いました。
国王が国民に対して権利を行使することを保障したものが憲法ではなく、
国民の人権を守ることを目的として、国の仕組みを定める法が憲法です。
「国の姿を決める法」ではない、ということがポイントです。
これは、憲法の条文が人権と統治で成り立っていることからしても明らかです。
・主権は国民にある(憲法第1条)
・天皇、国務大臣、国会議員、裁判官その他公務員の憲法擁護義務(憲法第99条)
自民党の改憲草案の2012年に作られたものは、この2点を目的というより、
「国の姿を決める法」として憲法を考えているとしか思えません。
2012年に作られたもので、ぎょっとするような内容は次のようなものです。
・国防軍を作り、審判所を設置
(自衛隊を「軍」とする、軍法裁判所に相当する審判所は別の法体系で裁くおそれ)
・基本的人権は「公益及び公の秩序に反してはならない」
(何が公益で公の秩序なのか、一方的な政府の解釈に委ねられるおそれ)
その他にもあるのですが、2018年の草案ではマイルドになり、
改憲しやすさを目的としてか、教育の充実を合わせて行うものになりました。
憲法改正の議論を行う場合に、やはり常に主権が国民にあり、
国民には基本的人権の保障がなされるという視点が必要です。
改正の手続きの議論や、緊急事態条項の議論も必要ですが、
根本的な部分を見失うことなく議論されなければなりません。
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